最初はとてもやさしかった彼(夫)
◆事例)
口説かれているときは、「この世の中で最高の女性だ!」くらい褒められ続けていました。
私はそれがとても嬉しくて、彼をどんどん好きになっていきました。
付き合い始めのころはプレゼントを欠かさずしてくれたり、送り迎えも心配だからとマメにしてくれていました。
それで結婚して3年になりますが、結婚したとたんに夫の態度がガラリと変わってしまったのです。
具体的には、私の行いを常に監視しているような雰囲気だし、「君は僕がいないと生きていけないから」と
色んなことに対して口出しをされます。
外出する時も誰とどこに行くかを報告しなければいけないし、お金の使い方にも厳しくされています。
愛されているのは分かっているのですが、なんだか付き合っていた時のような態度とはかけ離れています。
ちょっと、うっとおしいなと思って口答えをすると、すごく怒った顔をして「君のために言っている」と
長々と説教をされることもありましたので、この頃は口答えしないで黙って言うことを聞いています。
これから子供を産みたいと思っているのですが、子供が生まれたら夫は今よりも優しくなるでしょうか?
子供にもこんな風に接してしまうのでは…と今からとても不安に思っています。
現時点ですでに監視体制に入っていること、不都合なことが起きると威圧的になることから
今後はエスカレートする可能性が高いと思われます。
夫自身はそれを【悪いこととはまったく思っておらず】、むしろ当然の義務と思っているでしょう。
ASD傾向を持っている人にも見られることがあるのですが、
これは【そういう価値観を植え付けてしまった人】と考えてください。
そうなると、誰かがいくら口添えをしても夫自身が気づかなければこの関係は改善しません。
例えば、夫が尊敬している人や信頼できる人から何か言われれば、
「この態度が間違っているのか…」と考えて改善するというケースもありました。
夫の気持ちとしては、悪いことをしているというよりは【むしろ良かれと思ってやっているので】
妻に何か言われたとしても「どうして良いことをしているのに責められるのか?」と思ってしまいます。
夫が小さいころ、父親にされたことと同じ態度で妻に接するというのもよくある話で、
小さいころに威圧的で人を小ばかにする父親を見て「親になったらこういう態度をするのだな」と
自然に身についてしまったという人もたくさん存在しています。
自己愛性パーソナリティ障害ですが、承認欲求がとても強く、自分が素晴らしい人間であることを
周りに知らしめたい願望が強いというイメージです。
そのために、自分が善いことと信じている【間違った態度を取ってしまう】のです。
目的は、本当に相手のためを思ってしているのではなく、相手のためを思って尽くしている
→【自分ってすごい、と思うこと】です。
もしもこのケースの夫が親になった場合、小さい頃はかわいがるかもしれませんが
子供に自我が芽生え、ワガママになり始めたころから徐々に威圧的になるかもしれませんし
場合によっては力ずくで言うことを聞かせようと行動を起こす可能性も考えられます。