日本での診断名は、アメリカの精神医学会が発行している基準マニュアルが使用されています。
最新のバージョンでは、以前使用されていた「広汎性発達障害」が「自閉症スペクトラム」「自閉スペクトラム症」と呼ばれるようになりました。
以前は、アスペルガー症候群と呼ばれていたものも現在は自閉症スペクトラムに統合されています。
最新版はDSM-5ですが、私は比較的「アスペルガー」という言葉をよく使っています。
遺伝だけでなく「関わり方」と社会も関係しています
発達障害は先天性の障害です。当ルームで対応しているのは”知的障害のないグレーゾーン”の人になります。
また、【大人を対象としたケアの方が】対応のメインとなっております。
相談時には、ご本人の話はもちろんですがご両親についても尋ねることがよくあります。それは多少の遺伝が関係していることも大前提なのですが、それ以上に問題だと思われるのは【親の対応が適切であるかどうか】です。
もちろん親だって初めて親になるのですから何が正解なのかは分かりませんが、それ以前の問題としてこれまで取り扱ってきたケースでは次のようなことが多かったです。
自覚ある方、無自覚な方いずれも親の立場として問題を抱えているケースです。
親からの観点、子からの観点を含め、当ルームでは【適切な対応法を見出し】また、【適切な課題設定をし】トレーニングとして継続していくことをお勧めしています。
当事者およびそのご家族や、周囲の人たちどなたでもトレーニングが可能です。
「注意性」「多動性」「衝動性」に特徴をもつ症候群です。
幼いころは落ち着きがなく注意力も散漫なのは当たり前のことなのですが、 ここでいうものは【その年齢にはふさわしくない行動】などのことです。
【発達障害全般】気付いたら、小さい頃から療育を
親としては、分かりやすい身体ではなく、分かりにくい障害を抱えていることを受け止めるには勇気も決心も必要になってきます。
障害者というレッテルをはられるのではないかと不安になるかもしれません。
それがきっかけで他の人との差別を受けて辛い思いをするのではないか、いじめにあうなど、返ってマイナスになってしまうのでは・・・などと悲観してしまうかもしれません。
そのため、普通に育てたい、通常学級に行かせたい気持ちから「うちの子供は少し変わっているだけです。問題ありません。」と言われる方がいらっしゃいます。
考え方は人それぞれですから、それで何事もなく大人になるまで成長してくれることが本来はベストだと思います。
ただ、その中には「あの時、早目に受け入れて対応していれば・・・」と後悔される人もいることでしょう。
数十年前と違い、今は発達障害に対して一緒に寄り添ってくれるサポーターが多く存在します。
母親が一人孤独に闘うのではありません。頼れる仲間や、アドバイザーがいることを知っておきましょう。
そして、なぜ早目の療育が良いのかと言いますと、3歳あたりで自分のことを自分で少しずつ始められる頃から、周囲がサポートすることによって本人の習得する期間が短くなるからです。
手先が不器用などのことは、療育でトレーニングを繰り返したりするのですから、早目に越したことはありません。
また、いわゆる「反抗期」に入ってしまうと、本人も人とは違うと分かりながらも認めたくなくなったり、反発することもあるので、その時期に差し掛かることでトレーニングができなくなることがあります。
また、できれば病院を受診しておいた方が良いです。
なぜなら、発達障害に関しては子どもには診断後の療育などケアや支援が充実していますが、大人になってからの発達障害関連では、診断が下りた時に投薬するかどうかというケアがあっても、個別のソーシャルスキルトレーニングなどに対応してくれる機関はまだまだ少ないからです。
ですから15歳になるまでに一度は療育センターなどを受診しておくことで、18歳を過ぎても適切な医療機関や公的機関とつながりを維持できる可能性が高くなるので、支援の手を確保することが大切なのです。
なお、病院受診のメリットとして、投薬を受けることができるということです。
本来、できることなら極力使いたくない薬ではありますが、その薬を投薬することによって、問題行動が減少し、
自分で物事を考えたりトレーニングに前向きになることによって、日々の生活での改善が図れます。
薬は一生飲み続けなくてはならない、とは限りません。
投薬中に成功体験を積み重ねることによって、大きくなってからは薬が無くても成功した体験を思い出しながら
社会で生きていけるということを想定しているのです。