既に多く方に浸透している「心の病気や障害」について、簡単にまとめて紹介します。
うつ病
うつ病には3種類あります。その中の2つは、突然強いストレスにさらされたり、持続してストレスにさらされることによって引き起こされる「抑うつ状態」。最後の1つが、一般的に言われている「うつ病」にあたります。寝つきが悪く、途中で目が覚めてしまいまた眠れない。朝は体がだるく起き上がれない。いつも疲れたような状態が続き、食欲が落ちる。自分を責めてばかりいて、死にたい気持ちが強くなる。このように、うつ病になった人たちの体に現れる症状はさまざまです。家系(遺伝)などの関連性もありますが、環境によって引き起こされることが多いです。いわゆる”真面目な人”がなりやすいと言われています。
統合失調症
脳の病気として有名な統合失調症の症状は、幻聴や幻視などの幻覚があります。例えば、自分が頭の中で考えていることが言葉になって聞こえてきてしまったり、見えないものが見えてしまう。また、誰かにつけ狙われているような気持ちになって恐怖感が増す。自分の考えていることをテレパシーで他人が読み取っていると感じたり、体内にチップを埋め込まれて常に監視されているような気持ちになったりします。周りから見ると「わけのわからないことを言っている人」に見えるでしょうが、本人は本気でそう思い込んでいます。その恐怖心から、暴れてしまうこともあるし、人を過剰に避けてしまうこともあります。
双極性障害
上記のうつ病を発症した後に、とても気分が上がる時期がやってきます。自分は何でもやれるような気持ちになり、すごい人になったような感じがします。いわゆる「躁状態」なのですが、この時期は眠らなくても元気でいられることが多く、とにかく過剰な自信に満ち溢れているので周りに迷惑をかけてしまうこともよくあります。例えば、相手の都合を考えないで連絡をしまくったり、お金がないのにカードで買い物をしまくったり人に対する暴力が発現することもあります。その時期が過ぎると、再びうつ状態になってエネルギーが欠乏した時期が続くことになります。
不安障害
不安障害には「全般性不安障害」や「パニック障害」などがあります。全般性不安障害とは、常に何かの不安にさいなまれていて日常生活に支障を来してしまうものです。「これ」という原因や理由が見つからず、特定できない所が特徴です。
一方、パニック障害は特定の何かがきっかけで、動悸・めまい・恐怖感などに襲われるところから始まります。例えば、電車に乗った時にその症状が現れた体験をしたとします。すると、次に電車に乗った時も同じ症状が現れるのではないかとさらに不安になります。これが「予期不安」です。
強迫神経症も有名ですね。出かける時に、家の鍵をきちんとかけたか不安になって、また帰宅して確認する。何度手を洗ってもキレイになった感じがしなくて、手の皮がすりむけても洗い続ける、といった症状です。
PTSDも不安障害の中の一つになります。突然の恐怖体験などで心に傷を負ったことによる「フラッシュバック」があります。フラッシュバックは、ただ単に当時のことを思い出すのではなく「あたかも同じ経験をしているかのように」鮮明に思いだされ、その辛さを再体験する感じなのでとても苦しいです。急性で短期間持続するものと、少し経過して症状が現れて長期間持続する者の2種類があります。
発達障害
詳細は別ページで紹介しておりますが、全体的な説明としてはまず「先天性」であるということです。ですから、思春期や大人になってから発症するものではなく、もし大きくなってから診断を受けたのだとするともともと特性を持っていて、気づいたのが大きくなってからだった、ということになります。
先天性の障害のため、「治る」という考え方はありません。その特性を受け入れつつも、苦手なことを改善する努力をしたり「生きやすさ」を追求したりすることが大切です。
適応障害
うつ病の手前の段階と言われています。文字通り、適応できなくてストレスによって身体症状が現れている状態です。上記の発達障害傾向を持つ人たちが、二次障害になって病院を訪れ、適応障害の診断を受けていることもあります。 br> 昨今では、正式な診断をつける前段階の仮診断的に、この名前を使うこともよくあるようです。