自分のために生きられない
◆事例)
私は、いつも誰か尽くせる相手がいないと不安になり、常に恋人や仲間を求めています。
一人で過ごすことが苦手で、自分のために何か良いことをしようと思っても
自分に対してはとても冷たく厳しい態度をとっていると思います。
気が付くと「自分のために生きられない」自分がいることを知りました。
思い返せば小さいころから、私の母はとても世話好きで構ってくれていました。
私が何も言わなくても私の気持ちを汲み取るのが得意で、常に私が困らないよう、
失敗しないように手伝ってくれていました。
そういう親を手本にしたせいでしょうか。
私も思春期以降、恋人ができたり親密な関係の中で、
相手に尽くすことを生きがいとして過ごしてきたと思います。
ですから、そういう対象の人がいないと、とても不安で寂しく孤独なのです。
この女性は、母が先回りをして自分を助けてくれることを当然と思っていました。
小さいころ、彼女なりに考えたのは「人間は、誰かに尽くして生きていく動物なのだろう」ということでしょう。
ですが実際、大人になり社会に出てみると、そのような関係が継続することはありません。
また、恋人に尽くせる関係が始まったとしても仲良く続けられる期間は短く
相手に距離を置かれてしまったりケンカが増えてしまったりして終わってしまいます。
このケースでは、思いやりの強すぎた母親が子育てをしながら
【娘が独り立ちするためのトレーニングを阻止した】と言えます。
本来であれば、将来社会に出て独り立ちさせることを目的として子育てをするので
子供には”失敗ありきで”教育をしていくものなのですが、
母親自身が心配性であったり依存的であったりすると、娘との関係が密になりすぎて
子供自身の成長の妨げになります。
その結果、娘は自分のために生きる方法を見つけ出すことができないで大人になり
常に尽くせる相手、特に異性を求めて生きるようになっています。
これは、単に男好きというのではなく、
【心の隙間を埋めてくれる相手として異性がちょうどいい】という考えの方が妥当で、
その相手が同性の友人であっても尽くすことさえできればいいのです。
ですが、同性の友達にも恋人はできますし結婚もするかもしれません。
そうすると【自分が独り占めできない相手となり】再び寂しさに襲われてしまいます。
だから恋愛関係になれる相手を探し、強い結婚願望を持つこともあるのです。
※お世話好きのやさしすぎる母親に育てられたパターン
母親自身が繊細で心配性であるため、子育てに影響したと思われる